「南禅寺」の観光・見どころ|美しい自然と歴史が融合したお寺

京都岡崎エリアにある臨済宗南禅寺派の大本山「南禅寺」。
石川五右衛門の「絶景かな。絶景かな」で知られる重要文化財の三門や、狩野探幽筆の襖絵「水呑の虎」、美しい庭園など、見どころが豊富にございます。
この記事では、歴史・庭園・絵・自然などの切り口から、大人の観光名所「南禅寺」の魅力をご紹介いたします。
南禅寺とは

最も格式高い禅宗の寺院
南禅寺とは、710年昔の1291年、亀山法皇が無関普門禅師を開山に迎えて開創した、臨済宗南禅寺派の総本山です。
足利義満によって、京都五山および鎌倉五山の上に置かれる「五山之上」とされ隆盛。さらに、当時最も傑出した禅僧が歴代住持として住山し、五山文学の中心地となるなど、禅界最高の格式を持ちます。
多数の文化財・豊かな自然が見どころ
南禅寺は境内全体が国の史跡に指定されているのが特徴。国宝「方丈」や、「三門」をはじめとした重要文化財、国名勝の方丈庭園など、境内には見どころが豊富にございます。
また境内は自然豊かで、歴史的建築物が自然景観に溶け込む様子は、非常に幻想的で美しいです。京都屈指の人気スポットで、多くの参拝客が訪れています。
南禅寺の見どころ一覧
【歴史的建築物】
- 三門
- 水路閣
- 南禅院
- 方丈
- 天授庵
【庭園】
- 池泉回遊式庭園(南禅院)
- 枯山水庭園の東庭、池泉回遊式庭園の書院南庭(天授庵)
- 鶴亀蓬莱の庭(金地院)
- 大方丈庭園、小方丈庭園・六道庭(方丈)
南禅寺の見どころ
1.高さ22mを誇る「三門」

南禅寺の三門は、日本三大門の1つに数えられるほどの名門。別名「天下龍門」と呼ばれ、寛永5年(1628)大坂夏の陣で戦った武将や兵士の慰霊のために藤堂高虎により寄進されました。
三門に近づけば、見上げるほどの大きさに圧倒され、さらに立派な柱や東洋一の石灯籠などの重厚さを感じることができます。
美しさを物語る「絶景かな絶景かな」
皆さんは「絶景かな絶景かな」という言葉を聞いたことはありませんか?実はこの言葉、伝説の大泥棒石川五右衛門が、南禅寺の三門の上から満開の桜を愛でたセリフです。
高さ22mから京都市内を一望できる楼上の景色はまさに「絶景」。春は桜、夏は青もみじ、秋は紅葉と、季節によって大きく様変わり。各季節に訪れ、その違いをお楽しみください。
2.赤レンガのアーチ「水路閣」

近代の趣を残すノスタルジックな建築
室町時代の歴史を現代に残す南禅寺にありながら、一風変わって近代の香りが漂う「水路閣」。ローマ帝国の水道橋を連想させる堂々たる姿から、「水路閣」と呼ばれています。
その曲線美を描く赤レンガのアーチは、南禅寺の和風建築にマッチし、独特な雰囲気のある美しさを湛えています。水路閣には近づいて触ることができ、近くの階段を登れば、水路閣を上からご覧いただくことも可能です。
近年は、ドラマやアニメの舞台としても利用される南禅寺の水路閣。レンガ造りと自然風景が調和した幻想的な写真を撮影できるので、ぜひこちらで撮影してみてください。
3.南禅寺発祥の地「南禅院」

近代の趣を残すノスタルジックな建築
赤レンガのアーチを潜って階段を登ると、南禅寺発祥の地「南禅院」が。亀山天皇が離宮で出家して法皇となられ、その際に離宮を寄進して禅師に。その離宮こそが南禅院であり、発祥の地とされています。
屋根は入母屋造こけらぶきで、内陣中央には亀山法皇御木像が安置。
深い樹林に囲まれた神秘的な空気が漂う南禅院は、喧騒で賑わう京都市内にあって心静かに観賞できるスポット。大人な雰囲気をお楽しみいただけます。
京都三名勝の庭園
南禅院の庭園は、離宮当時のおもかげを残した、鎌倉時代末期の代表的池泉廻遊式庭園です。史跡および、京都の三名勝史蹟庭園の1つに指定されています。庭園は非常に落ち着いた雰囲気があり、見ているだけで心が安らぎます。
4.国宝の「方丈」

方丈とは、禅宗寺院における住職の居室のこと。南禅寺の方丈は「大方丈」と、その背後に接続した「小方丈」の2つから成ります。
大方丈
大方丈は日本建築の最も美しい豊かさをもった建築様式が見られ、小方丈と共に国宝に指定されています。1621年に、御所の建物の下賜を受けて再建されました。
中央南にある御昼の間は、清涼殿時代に昼の御座であった御帳の間の別称を残しており、広縁の欄間彫刻、天井、板扉の形式とともに近世宮室建築の姿を伝える遺構です。
また大方丈の内部では、開放感のある造りが今もなお引き継がれており、歩いてみると当時の趣を感じることができます。
小方丈
小方丈は伏見城の小書院を移行したもので、内部に狩野探幽筆の「群虎図」40面があることで有名。襖絵は狩野探幽の傑作といわれ、「水呑の虎」の図は特に、今にも飛び出してきそうな程の迫力です。
5.最も由緒のある寺院「天授庵」

天授庵(てんじゅあん)とは、南禅寺の開山第一世「無関善門禅師(むかんふもんぜんし)」をお祀りする、南禅寺の開山塔。山内で最も由緒のある寺院です。
南禅寺第15世である虎関師錬(こかんしれん)は、南禅寺山内に開山の塔所がないことを遺憾に思い、関普門を奉祀するための塔所として天授庵を開きました。
1447年の大火で一度焼失しましたが、その後細川幽斎により再興。現在天授庵にある本堂は、幽斎が再建した中の1つです。
2種類の庭園が楽しめる
天授庵には枯山水庭園・池泉回遊式庭園の2種類の庭園があり、それぞれの美しさ、またその違いを堪能できます。
6.境内を彩る美しい庭園たち
南禅院の庭園
離宮当時のおもかげを残した、鎌倉時代末の代表的池泉廻遊式庭園です。作庭は夢窓国師といわれ、古くから天龍寺庭園、苔寺庭園と共に京都の三名勝史蹟庭園の1つに指定。
上池は曹源池と呼ばれ、竜の形に作られており中央に蓬莱島が。一方の下池には心字島が設けられています。
大きな庭園ではないのですが、どこか惹きつけられる不思議な魅力があり、庭園を見るだけで、心穏やかな気持ちになります。
方丈庭園
方丈庭園は小堀遠州作と伝えられ、江戸時代初期の代表的枯山水庭園です。南部から西部にかけて5本の定規線を配した薄青色の筋塀をめぐらし、東西に細長い地形に作庭されているのが特徴。
石組はこの筋塀に添って配置されており、大きな石組を方丈側から見て左奥に配し、前方と右手には、白砂の広い空間を残しています。
六道庭
「六道庭」は六道輪廻の戒めの庭です。六道輪廻とは、天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六つの世界を我々は生まれ変わり続けるという仏教の世界観のこと。
一面の杉苔の中に配石された景石を眺めていると、煩悩に迷い、悟りの境地に達することなく六道を輪廻する人々の儚さを感じることができます。
天授庵の庭園
天授庵には枯山水庭園・池泉回遊式庭園の2種類の庭園があり、それぞれの美しさ、またその違いを堪能できます。
枯山水庭園は縁に登ることができ、縁に腰を下ろして休みながら、美しく手入れされた庭園をご覧いただけます。
金地院の庭園「鶴亀の庭」
国指定特別名勝の庭園。大きな石と白砂が合わさり、美しい景観を作り出しています。
もちろん近くで見るのも素晴らしいですが、建物の中から見ることで、写真のように額縁で縁取られた美しい絵画のごとく姿をご覧いただけます。
アクセス・拝観情報

アクセス
東西線の蹴上駅を下車した後は、レンガで造られた「ねじりまんぽ」と呼ばれる道を進むと、境内への近道になります。
電車 | 市営地下鉄東西線「蹴上」駅より徒歩約10分 |
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バス | 市バス「南禅寺・永観堂道」より徒歩約10分 |
自動車 | 京都東インターより三条方面へ約6km |
駐車場のご案内
場所 | 南禅寺交差点より参道を約250m進みますと、 中門手前に第1駐車場があります |
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駐車台数 | 50台 |
駐車料金 | 2時間以内|1,000円 2時間以上1時間以内|+500円 |
【営業時間】
12月1日~2月28日 | 午前8時40分~午後4時30分 |
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3月1日~11月30日 | 午前8時40分~午後5時00分 |
【拝観料金】
境内 | 拝観無料 |
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方丈庭園 | 一般600円、高校生500円、小中学生400円 |
三門 | 一般600円、高校生500円、小中学生400円 |
南禅院 | 一般400円、高校生350円、小中学生250円 |
【基本情報】
所在地 | 〒606-8435 京都府京都市左京区南禅寺福地町 |
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お問い合わせ | TEL:075-771-0365 |
公式サイト | https://www.nanzenji.or.jp/ |
南禅寺の周辺観光スポット
周辺観光地 | ||
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