
「里山の食彩」とは、「食べることが守ること」を合言葉に、2002年からお客様・地元の方々と共に取り組んできた協働プロジェクトです。環境への取り組みを進めるにあたり、「リラックス」を求めて訪ねてくださるお客様に対して、環境負荷の低減などは我慢を強いるのではないかという課題を抱えていました。その中で人と自然が共存する里山をフィールドに活動されている写真家の今森光彦氏や地域の生産者の方々との出会いを通して、たどり着いた答えが「里山の食彩」でした。
「環境を私達のビジネスの中で守っていく」、環境保全とビジネスを持続可能な循環型システムにしていくことが現代社会において大切ではないか。その中で地元の食をおいしく、たくさん召し上がっていただくことで、食材ができる里山環境を守っていくことこそが、ホテルと環境保全が繋がる最良な方法と考え、活動を続けています。琵琶湖ホテル独自の環境への取り組み「里山の食彩」を通じて、微力ながら琵琶湖畔で営む一員としての責任を果たしていきたいと思います。土と水と人が生んだおいしいお米
山の斜面に広がる美しい棚田は、先人の知恵が生んだすばらしい稲作環境でした。いままであまり知られていませんでしたが、棚田で取れるお米はとてもおいしいのです。それは粘土質の山土と、山から直接流れる、余分な有機物が混じらない清らかな水、斜面の限られた日照時間といった環境と、機械や農薬に頼らない手作りのお米であることが理由のようです。斜面にそった曲線は耕作機械が自由に動けない、手間のかかる田んぼです。不便だからと放置すれば、あっという間に雑草がはびこり、水路をふさいでしまうから、人々は田んぼに精一杯手をかけます。実りを迎えるまでの毎日を雑草、日照り、台風などと闘って際限のない労働を繰り返すのです。こんな努力が報われないはずがありません。理由はともかく、一度食べたら誰もがファンになるほど単純に、棚田米は美味しいのです。琵琶湖ホテルでは「日本の棚田百選」に指定されている高島市畑地区と、大津市仰木地区の農家と契約、棚田の美味しいお米をお客様にご提供するとともに、そんな里山の田んぼをお客様と一緒に訪れ、農作業の体験をしていただく機会も設けています。
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